【第1回】ボイトレって何の為にするの?

皆様こんばんは!CVMSのVoice Conductor、Rayですっ。

今回は“Voice Training Tips”の【第1回目】と言う事で『ボイトレって何の為にするの?』と言う疑問にお答えして行こうかなと思います。

まぁ、“ボイトレ”と一言で括っても世の中には様々な理論や流派がある訳で、あくまで「CVMS流の考え方」について書かせて頂きます。

◇◇◇◇◇


【INDEX(目次)】
  1. ボイトレとは“喉の自在性”を得る為のもの
  2. ボイトレでそう言う問題は解決するの?
  3. “ボイトレ=歌”の先入観を捨てましょう!
  4. スポーツで例えてみると分かり易いかも?
  5. ボイトレ=ジム通いみたいなもの!?
  6. 印象は声で決まる!
  7. まとめ


◇◇◇◇◇

ボイトレとは“喉の自在性”を得る為のもの
ボイトレ…つまり“ボイス・トレーニング”とは文字通り声を自由自在に扱えるよう喉を訓練して「自分が出したい声を出せるようにする為」にあります。

“出したい声”と言ってもそれ自体は漠然とした表現ですね。例えば…


「高い声が出したいのにどうしても出ない!」

「声が細くなっちゃって声量のある声が出ない…」

「歌ってても表現が乏しくて思ったように歌えない。。」

「ピッチ感が悪くて音程が上手く取れない↓」

「強い声は出るんだけど、張り上げちゃってすぐに喉が痛くなる…」


…等々。


音楽活動で歌っていたり、演劇活動を通して俳優/女優、或いは声で表現する声優なんかを目指している人や実際にその道で活動する“声のプロ”と言う方達だけでなく、カラオケ文化がある日本では一般の方も日常的に歌を楽しんでいますから、上に書いたような問題に直面する方達は沢山いらっしゃいますよね!


ボイトレでそう言う問題は解決するの?
結論から言うと解決します!それを出来るようにしてあげるのが私達“ボイス・トレーナー”ですから、それが出来ないようでは話になりません(笑)。

声は喉の中にある“声帯”によって作られています。これは言わば「自分だけに与えられた唯一無二の楽器」です。

基本的な構造は同じでも1人ひとり身長や体型、顔立ちが違うようにこの声帯と言う楽器の大きさも形状も人それぞれ個性があります。

声を出す時の感覚、発声や発音の癖も十人十色。何なら同じ音を聴いてもその捉え方や耳の良し悪しで聴こえ方も変わって来るものです。

そう言った違いや声を出して来た発声習慣の違いから高い声や大きい声が比較的楽に出る人、低くドシっとした声の方が出し易い人など違いは出て来ますが、きちんとボイトレを受ければ現在苦手としている部分、足りない部分を埋めて、低い声〜高い声、力強い声〜優しい声まで出せるようになりますよ!


“ボイトレ=歌”の先入観を捨てましょう!
「歌が上手くなりたい人が受けるのがボイトレでしょ?」

↑このイメージを持っている方。とーっても多いです(笑)。

実際に声を扱うプロでもこのイメージを持っている方が多く、「演技と歌だと発声法が違いますよね!ボイトレって音楽系の人がやるものですよね?」なんて聞かれた時は愕然としました…(笑)。

これは日本の発声を教えて行く現場のやり方に問題があるので、仕方ない部分もあるんですが、声を育てて行くのがボイトレのレッスンなら演技での声の使い方や歌う為の歌唱力向上の為のトレーニングはそれらの表現を身に付けて行く為、そのジャンルに適した方法論を学んで行く為の表現レッスンであって、根本的にこれらは別物なんです。

ここをごっちゃ混ぜにして教えているのが今の指導現場の現状な訳で「そりゃあそう言うイメージにもなるわ」って感じですね。

なので、皆様はここでしっかりと認識を改めてみましょう!


スポーツで例えてみると分かり易いかも?
ここで敢えてスポーツで例えてみましょう。多分その方が分かり易いかと思います。


例えば〜…あなたがサッカーを始めたとしましょう。
あなたはサッカー経験が全く無い状態で、1からのスタートです。部活でも良いし、個人的にサッカークラブのチームに入った場合をイメージしてみるのも良いかも知れません。

さて、そこでサッカーの技術を身に付けようと言う時、いきなり全ての過程をすっ飛ばして、↓みたいな事を言われるでしょうか?


「基礎練習なんかどうでも良い!試合だ!とにかく試合をひたすらこなすんだ!!」


…うん、まずならないですよね(笑)。


まずはチーム内で下っ端としての雑用から…とかそんな事は置いておいて(笑)。

普通はサッカーについてのルールを覚えたり、基礎的な筋トレやストレッチ、ロードワークなんかによって、必要な筋力、柔軟性、体力を身に付けた上で、技術的な面としてパス回しやドリブルなんかのフィジカル・トレーニングをして行く。
その上で練習試合に参加し、本番を想定した動き方、仲間との連携なんかを学び、実際の試合に出場して経験を積んで行く。

これ、サッカーじゃなくても野球でもバスケでもテニスでもバレーでも一緒ですよね。

この筋トレやストレッチ、ロードワークと言う身体を作って行く為の基礎トレが“ボイトレ”に。

そしてパス回しやドリブルと言った技術を身に付けて行く為のフィジカル・トレーニングが歌や演技の為の表現を磨くトレーニングに当たります。


これを一緒くたにしたトレーニングって言うのは何の基礎も身に付いてない人に…


「必要な筋力や体力は試合してれば勝手に身に付いて行くからひたすら試合に出ればそれだけで良いんだ!」


って言ってるようなもの。普段何気なく行っている動きでも全身を使った動きと言うのは実は意識していないだけで身体中の部位を連動させて動かしている高等技術な訳です。
特に専門的な動きとなれば一部の人達を除いて、いきなり「最適な動きを出来るか?」と言えば難しいですよね。

その分野で求められている動きを身に付けて行く為にフォームの練習なんかをしてイメージや感覚を作って身体に覚えさせて行く。
勿論、それがどんな状態でも出来るようになる為にはそこに付いていけるだけの筋力や体力、柔軟性が必要で、だからそこに向けて基礎訓練をする訳です。

そして、練習と本番はまた別物ですから、本番を沢山経験して行く中で更に技術を研ぎ澄まして行く。後はひたすらその繰り返し。


改めて考えれば当たり前の事を言ってますが、そう言った準備を怠っていきなり試合に出させ、それしかやらせないとなれば非常に効率が悪い指導と言わざるを得ませんし、何より怪我の要因にも繋がりますよね?


まぁ、もう少しだけ正確に言うと今の発声指導の現場は上で言う基礎トレーニングを省いてフィジカル・トレーニングや練習試合をメインにそれだけをひたすらやらせて本番に出させてる感じでしょうか。

勿論、ちゃんとしたレッスンを行うトレーナーだって沢山居ますけどね!
昔ながらの方法論でごちゃ混ぜにしたそう言うレッスンを行っているところも残念ながら沢山あると言うのが実情です。

専門的に発声を学んで教えるトレーナーの立場として言えば、これは凄く歯痒いと言うか勿体無いなぁ…と思います。


ボイトレ=ジム通いみたいなもの!?
さっきのサッカーでまた例えると、プロの選手達ってチーム内でコーチの下、基礎的な事から応用・発展までトレーニングを積んで行くと思いますが、多くの人達が筋トレの専門家であるパーソナル・トレーナーを付けてジムで筋トレしてたりしますよね?

「餅は餅屋」って諺がありますが、やはりその道にはその道の専門家がいる訳で、身体作りなら身体作りのプロに任せよう!って事です。

歌の為にボーカル・スクールに通ったり、演技を身に付ける為に専門のレッスンを受けたり、芸能プロダクションの養成所に通ったりと言うのがスポーツで言うチームに所属する事に該当するなら、ボイトレは正にパーソナル・トレーナーのいるジムに通う感じですね!!

そうやって考えてみれば、歌を歌うにしても声を使って演技を磨いて行くにしても、声を育てる“ボイス・トレーニング”の重要性が少しは解ってもらえるんじゃないかな?と思います。


印象は声で決まる!
ここまで読んで「ボイトレが大事って言うのは分かったけど、それって結局は歌が上手くなりたい人とか声を専門的に使う人だけの話しでしょ?」と言う方達もいるかと思うので、少し違う切り口から書いてみましょう。


それは「人の印象は声で決まる」と言う事。


例えば、“第一印象”と言うワードを聞いて思い浮かべるものはなんですか?
多分、大体の人は“外見”から来る見た目の印象を指していると思うのではないでしょうか。

それは実際に正解で、人は視覚情報として得られる見た目の印象から自分の中に「この人はこんな感じの人っぽいな」と言うイメージを作る傾向にあるので、人を判断する印象値としては見た目の部分が約5割強を占めると言われています。

では残りの約半分は何処で決まるのか?と言うと実は声や話し方と言った音として聴こえる聴覚情報が4割近くを占めているんです!

そして、会話の内容は?と言うと、何と言語情報から得られる印象値は僅か1割程度…。


多くの人は外見、そして相手の声や話し方と言った情報から9割近くの印象を決定付けて、そこで選別した上で話しを聞くに足る相手の話しは興味を持って聞き、そうでない相手だと実は話し半分で聞いている可能性があると言う事ですね(笑)。

でも殆どの人はそこで上手く伝わらない要因を主軸である“話しの内容の良し悪し”だとするケースが多いと思います。

確かに話す内容もとーーっても大事!決して蔑ろにして良い部分ではありません!

ですが、相手にしっかり伝えたい内容があってもそれを聞いてもらえるスタンスを取ってもらえなければ、やっぱり良い結果を得るのは難しい…。

特に人は悪気はなくとも印象からイメージを作り、そこから相手に対する先入観を持ってしまいがち。それが原因で話し半分になって伝わらなかったとしたら損ですよね?

近年はビジネスマン向けの“話し方講座”のようなレッスンも増えて来ましたが、魅力的な声や話し方と言うものを身に付けたいと言うニーズが昔より高まって来たのもそんな背景からなのかも知れませんね。

大袈裟でも何でも無く、声が変わればそれだけで人からの印象や評価も大きく変わります。

何より、これは声を専門的に扱うトレーナーとして個人的に思う事ですが、人の心の在り様は声に表れます。
逆に言えば、声が変わる事で自然と心の在り様にも好影響を与えるんですよね。

仕事やプライベートの面で声を活かせれば良い結果に繋がる方は沢山いらっしゃいますから。

歌が好きでも嫌いでも、声の演技に興味があっても無くても。

きっと声を磨いて行ったら何かしらの形で良い影響が表れますよ!


目指せ“イケボイス!”ですね(笑)。


まとめ
長くなりましたが、最後に『まとめ』を書いておきましょう。



  • ボイトレとは自分が理想とする声を出せるようになる為の綿密な下地作りである。
  • ボイトレとはしっかりとしたプロセスを踏めば誰にでも効果があるものである。
  • ボイトレとは声を育てる事であり、応用として表現を磨く事とは別物である。
  • ボイトレとは声を扱うプロでなくとも十分なメリットが得られるものである。



単的にまとめましたが、ボイトレとは?と言うのが伝わりましたでしょうか?

シンガーの目線で言えば、好きな歌を歌っていて出したい声がポンッと出た時。めちゃくちゃ気持ち良いですよ!

声には色々な可能性が詰まってます。普段声で遊ぶ習慣がない人はまだまだ自分では気付いていない新しい声が眠っています。

色々な声を出して楽しみながらトレーニングをして行く中で声の幅がどんどん拡がって行くと言うのは経験から言っても本当に面白いんですよ!

効率的な発声を身に付ければ喉も痛め難くなりますから、普段大声を出していたり、一日中喋って喉を痛め易いって人にもオススメで出来ますね。



さて、長くなりましたが、語り癖があるのはご愛嬌と言う事でご容赦下さい(笑)。

ではでは、今回はこの辺で!!次回はもう少し短くまとめて「実際のレッスンではどんな事をやってるのか?」について書いてみようと思いますのでお楽しみに♫

「Crescent Voice Music Studio」Ray's Blog

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